健康な体づくり
妊娠に向けた体づくりといっても特別なものがあるわけではなく、基本は毎日の規則正しい生活です。ただ妊娠してから急に体づくりを始めても間に合いません。妊娠前から行動できるとベストです。
また、妊娠や出産はゴールではなく、新しい命を育てるスタート。これから始まる長い育児期間を健康に過ごすためにも、規則正しい生活は大切です。
食生活
1日3食、さまざまな食材を取り入れ、栄養バランスのとれた食事をとりましょう。
「○○を食べれば妊娠する」といった食材や食品はありません。体の基礎となる栄養素をしっかりとることが大事です。
葉酸(ようさん)
妊娠を望んでいる女性は、葉酸を積極的にとりましょう。
葉酸は、妊娠中の赤ちゃんの神経系の発達に必要な栄養素。厚生労働省では、赤ちゃんの先天異常の予防のためにも、妊娠前から葉酸の栄養機能食品(サプリメント)を取り入れることを推奨しています。
葉酸は、ほうれん草やブロッコリーなどの緑黄色野菜、納豆、いちごなどに多く含まれています。
*厚生労働省では、食事以外に栄養機能食品から1日400μgのモノグルタミン酸型葉酸の摂取を推奨しています。
運動と睡眠
妊娠では、女性の体に大きな負担がかかります。運動して筋肉をつけ、血流をよくして、健康的な体をつくりましょう。また、適度な運動は体力づくりとともにストレス解消や気分のリフレッシュにもつながります。
特にウォーキングやヨガ、ストレッチなど、日常生活の中で取り入れやすい運動は続けやすく、オススメです。
睡眠は体と脳を休めるために大事なもの。生活リズムをつくる上でも、できるだけ夜は早めに布団に入り、朝は毎日同じ時間に起床しましょう。
健康的な体重
やせすぎも太りすぎも、妊娠・出産にはよくありません。妊娠に関係するホルモンの分泌に影響を与えることがあります。
さらに肥満の場合、流産や早産の可能性が高まり、妊娠高血圧症候群になりやすく、胎児の発達が悪くなったり、出産時のリスクが上がったりします。
禁煙
男性も女性も、健康のため喫煙はやめましょう。
妊婦や新生児の受動喫煙も大きな問題です。
また、妊娠したときには流産や早産のリスクが上がり、胎児に栄養が届きにくくなるため体重の少ない子供が生まれる可能性も報告されています。
風疹
風疹の免疫がない女性が妊娠初期に風疹に感染すると、おなかの赤ちゃんに感染して、難聴や心臓などの病気を持って生まれる可能性が高くなります。
風疹の抗体を持っているかどうか調べて、風疹の免疫がない場合はワクチン接種をしてから妊活を始めましょう。風疹ワクチン接種のあとは、2カ月間の避妊が必要です。
また、感染を防ぐためにも、女性だけでなく、男性も風疹抗体について調べて、免疫がなければワクチン接種をしましょう。
生理と基礎体温
生理(月経)は、女性ホルモンの分泌によって起こります。また、ホルモンの影響で体温にも変動があります。
月経開始から排卵までの約14日間は、卵子を成熟させるホルモンが分泌されて体温が低い時期が続きます。
排卵したあとは、子宮内膜を受精卵が着床しやすい状態にする黄体ホルモンが分泌される高温期が、約14日間続きます。
妊娠しなければ、子宮内膜がはがれ落ちて月経がきます。(*)
こうした体温の変化は基礎体温表でつかむことができ、排卵が起こっているかどうかも推測できます。
基礎体温は、女性が朝、目覚めたときに横になったままで、舌の下に婦人体温計を入れて測るもの。その数値をグラフ化したのが「基礎体温表」です。
ただし就寝時間や、部屋の温度や、トイレに行ったかどうかでも体温には差がでることをご留意ください。
*月経周期(月経開始から次の月経開始までの期間)は、人により異なります。また、同じ人でも、そのときによって日数が違います。
2人で知っておきましょう
妊娠も妊活も、男性か女性、どちらかひとりではできません。
妊娠に関する知識をふたりで深め、いっしょに妊活していきましょう。
また、妊娠しにくい理由として、男性側にも要因があるケースがあることも知っておきましょう。