不育症の治療
不育症の治療は、考えられるリスク因子について対応していくことになります。
染色体異常
男女のどちらかに染色体の構造異常が見つかった場合、一定の確率で受精卵に染色体異常が発生し、流産になることがあります。
根本的な治療法はありませんが、妊娠・出産できる可能性はあります。
子宮形態異常
先天的な子宮形態異常の中で、子宮の内部が2つに分かれている中隔子宮の場合には、手術の治療もあります。
その他の先天的な子宮形態異常の場合、多くは経過観察となります。
内分泌異常
甲状腺機能異常
甲状腺機能亢進症では甲状腺の働きを抑える抗甲状腺剤による治療を、甲状腺機能低下症では甲状腺の働きを補う甲状腺剤による治療を行います。
糖尿病
血糖値が高い場合には、血糖値を下げる薬による治療、また食事や運動、体重の減量など、生活指導で改善していきます。
抗リン脂質抗体症候群
抗リン脂質抗体陽性が12週間続く場合、血栓症を予防する治療(低用量アスピリン療法、ヘパリン療法)を行います。
こころのケア
授かった命を突然失うというのは、とてもつらい体験です。
出会えるはずだった赤ちゃんがいなくなってしまう喪失感や、「流産したのは自分のせいだ」と自分を責めてしまうことも少なくありません。流産や死産によってこころが不安定な状態になるのは、ごく自然なことなのです。
しかし、日本ではまだ不育症について理解が進んでいないこともあり、当事者は誰にも話すことができずに、ますます孤立してしまうこともあります。
まわりの人とのコミュニケーションで悩んだときは「妊活こころの相談室」ものぞいてみてください。
また、東京都では、不育症について相談できる窓口を設けています。専門の研修を受けたピアカウンセラーや医師などに、電話で相談することができます。不育症の原因や検査・治療などの情報提供も行っています。